経過と問題点

今回のリゾート開発に関する経過を時系列にまとめました。
根拠資料の一部には、リンクを貼ってありますので、そちらもご参照ください。
この表と星野リゾートの発表しているプレスリリース(http://www.hoshinoresort.com/company/news/2008/01/080131-r01.html)をよく見比べていただき、このリゾート開発計画について、正しいご認識をおもちいただけますと、ありがたく存じます。

なお、下記の表の作成には、できるかぎり正確を期していますが、間違いを発見された方は、何卒当会までご連絡くださいますようお願い申し上げます。

年月日
出来事
根拠資料
問題点
1971(昭和46)年 竹富島を生かす会「竹富島の声」発表
1986(昭和61)年3月28日 竹富島歴史的景観形成地区保存条例が施行   星野リゾートの説明は、対象土地の取得時期と条例・竹富島憲章の制定時期について時系列が前後している。意図的なものである疑い。
*星野リゾート説明:上勢頭保氏は、「特に1970年代に竹富島の土地が数社の開発会社に買い占められた際に、それらの土地を買い戻した経緯があります。…ルールが未整備の時期に土地を買い戻したことは、今日の竹富島の景観保全に大きな貢献であったと言えます。」
1986(昭和61)年3月31日 竹富公民館「竹富島憲章」制定
1986(昭和61)年5月15日 國場組と南西観光、上勢頭保氏が観光事業を行うことを目的に開発基本協定書を締結。同協定書は、國場組提供の資金で購入した土地を「第3者に譲渡してはならない」と定めている。 八重山毎日新聞
1986(昭和61)年5月27日 南西観光が國場組の資金で対象土地の所有権を取得。

登記事項証明書

八重山毎日新聞

開発協定締結の事実からすれば、もともと国場組主導で、リゾート開発を意図していた土地。今回の開発者は、竹富島憲章の制定当初から、竹富島憲章を無視していたのでないかとの疑問がある。

*星野リゾート説明:上勢頭保氏は、「特に1970年代に竹富島の土地が数社の開発会社に買い占められた際に、それらの土地を買い戻した経緯があります。…ルールが未整備の時期に土地を買い戻したことは、今日の竹富島の景観保全に大きな貢献であったと言えます。」

1991(平成3)年 南西観光の計画は沖縄県のトロピカルリゾート構想で認可下りるも、日本債権信用銀行の破綻(はたん)で未着工。 八重山毎日新聞・上勢頭芳徳氏
1994(平成3)年3月3日 竹富島景観形成マニュアル(指導指針)制定  
1997(平成9)年9月17日 対象土地に、根抵当権者あおぞら銀行、債務者国場組、極度額9億円の根抵当権が設定される。 登記事項証明書 対象土地への根抵当権設定は、土地購入の11年後であり、土地購入資金との関連性は不明。
2003(平成15)年3月13日 対象土地に設定された根抵当権が、あおぞら銀行から沖縄銀行(4.5億円)・琉球銀行(4.5億円)に分割譲渡された。 登記事項証明書
2006(平成18)年3月14日・21日 沖縄銀行・琉球銀行が国場組に対する債権(9億円)をケラソスファンド(リサパートナーズの運営するファンド)に譲渡。対象土地の確定根抵当権も移転。 登記事項証明書
2007(平成19)年4月13日 株式会社竹富土地保有機構が設立される 登記事項証明書 星野リゾートホームページの説明は、時期が一致しない。
星野リゾートの説明:「2007年秋、竹富土地保有機構を緊急に設立、ここに星野リゾートから必要な資金を投入し、すでに抵当権を抹消する手続きを完了しています。」
2007(平成19)年5月15日 対象土地が南西観光から株式会社竹富土地保有機構に売買を原因として移転。 登記事項証明書
2007(平成19)年6月13日 対象土地の根抵当権が抹消される。 登記事項証明書 星野リゾートホームページの説明は、時期が一致しない(同上)。
2007(平成19)年6月14日 南西観光代表上勢頭保氏から竹富町教育委員会に対して樹木の伐採についての現状変更行為許可申請(測量のために「小型ユンボにより雑木(ギンネム等)を伐採」) 現状変更行為許可申請書 資金投入の翌日に開発に着手。
また、所有権が移転しているにもかかわらず、なぜ、旧所有者が申請行為を行っているのか疑問。
2007(平成19)年6月24日 上記測量のための伐採について竹富島集落景観保存調整委員会にて審議。「広範囲にわたる申請地であり、申請地には史跡や古墳なども現存する。教育委員会と相談の上、調査をおこなって欲しい」などとする。 第3回(6月期)保存調整委員会の報告
2007(平成19)年7月17日 竹富町教育委員会が樹木の伐採につき、以下の条件で許可
① 「景観を損なわないよう最小限に伐開すること。」「大木等は切り倒さないこと」「測量調査の実施に当たって伐開する間隔は、L=25m以上とする。」
② 伐開に当たっては、着手・中間に教育委員会・調整委員会の確認を受けてください 等の様々な条件。
「現状変更行為許可書」「現状変更行為許可書の送付について」
2007(平成19)年.8月 計画敷地において、大型のショベルカーにより、わずかな樹木を残して、全面的に、地面を掘り返しながら根こそぎ樹木の伐採が行われた。アジラの一部も破壊された。遺跡・埋蔵物が破壊されたのではないか。 島民証言 上記の竹富町教育委員会の許可条件に違反している疑い。星野リゾートの「環境に配慮」という言葉とは全く異なる実態なのではないか。
2007(平成19)年12月28日 地元紙で初めて竹富島リゾート計画の記事が出る 八重山毎日新聞
2008(平成20)年1月21日 竹富リゾート開発で初の説明会 八重山毎日新聞
質疑応答①(youtube)

質疑応答②(youtube)

質疑応答③(youtube)

住民説明会では、「住民の意思を問う場はないのか」との質問があるように、とてもではないが「多くの方々の賛同」を得た事実はない。
2008(平成20)年1月30日 八重山毎日新聞に「問われる竹富島憲章」との記事 八重山毎日新聞  
2008(平成20)年1月31日 星野リゾートが開発計画をプレスリリース 星野リゾートHP 多数の点で事実と異なる。特に、「竹富島の多くの方々にも賛同いただいた」という点。
2008(平成20)年2月4日 町が業者から説明を受ける

八重山毎日新聞に「竹富島リゾート法廷闘争に発展の可能性も」との記事出る
八重山毎日新聞
2008(平成20)年2月7日 伐開について、南西観光からようやく「現状変更完了届」が提出される。ただし、添付写真は「完了写真」しかなく、教育委員会の許可条件となっていた「現状写真」は添付されなかった模様。 現状変更行為完了届
2008(平成20)年2月27日 町と事業者が覚書締結
2008(平成20)年5月16日 町リゾート開発審議会(山田耕治副町長・15人)が了承する結論。近く大盛町長に答申する。非公開。その日のうちに結論。事業者側からのみ意見聴取。 八重山毎日新聞
2008(平成20)年6月20日 南星観光と町が開発協定締結。全20条。町並み保存(7条)と用水の確保(11条)について、南星観光と町が改めて協定を結ぶ。この協定も同日締結。 開発協定書
2008(平成20)年6月27日 第2回住民説明会 住民説明会議事録 この日の住民説明会の議事録は、県に対する都市計画法上の開発許可の資料として「住民の同意に代わるもの」として提出された。しかし、議事録には開発者側が冒頭に述べた「住民の賛否を問う場ではない」「録音録画を禁止する」という発言の記載がない。
2008(平成20)年7月10日 町は「土地利用計画でも問題はなく、住民の目立った反対もない」などして、事業者から出された開発許可申請を県に進達した。
2008(平成20)年7月 竹富町竹富島歴史的景観形成地区の保全に関わる現状変更について事業者から町教育委員会に申請書面が提出され、受理。
2008(平成20)年8月24日 第5回竹富島集落景観保存調整委員会で審議
2008(平成20)年8月27日 第6回竹富島集落景観保存調整委員会で審議。専門員の協力を要請することとした。
2008(平成20)年9月12日 県が都市計画法上の開発許可 八重山毎日新聞
2008(平成20)年10月1日 竹富町長に、川満栄長新町長が就任
2008(平成20)年10月9日 竹富町長と開発者側が面談。竹富町長は、住民合意を最優先とする考えを示す。 八重山毎日新聞
2008(平成20)年 歴史的景観形成地区審議会会長三村氏が「竹富島東部宿泊施設の開発計画申請案についてコメント」
2008(平成20)年12月7日 竹富島集落景観保存調整委員会が「竹富島東部宿泊施設の申請についての意見書」を教育委員会に提出
2009(平成21)年2月7日~9日 星野氏・上勢頭保氏が、7日~9日に各支会ごとの住民説明会を開催。10日の竹富町長との面談において、星野氏は、「ほとんどの住民に賛成、容認してもらった。合意形成が取れたと確信した」と説明。竹富町長は、公民館の同意書を要求。星野氏は、「法的な手続きは終わっている」として計画を進める方針を示す。 八重山毎日新聞 当会としては、住民の多くが同意した事実はないと認識している。
2009(平成21)年6月18日 当会発起人が、竹富町と開発会社とで締結した協定書が石垣市と竹富島の分水協定書に違反するとして住民監査請求 八重山毎日新聞
2009(平成21)年8月13日 上記住民監査請求却下 八重山毎日新聞
2009(平成21)年8月17日 当会発起人ら住民72名が、リゾート計画の賛否問う臨時総会の開催を請求。
2009(平成21)年8月24日 竹富公民館臨時総会が開催され、住民投票を実施すると決定した。 八重山毎日新聞
2009(平成21)年9月15日 石垣市議会でリゾート問題が取り上げられる。市長は、「大型リゾート施設は想定されていない」と答弁する。
八重山毎日新聞
石垣市議会会議録
2009(平成21)年10月20日 住民投票を実施するために公民館議会が開かれたが、容認派多数のため、3月末の定時総会まで、住民投票するか否かは見送る形となった。
2009(平成21))12月1日 当会発起人3名が、川満町長に要望書(給水についての説明、電柱の設置許可についての説明、住民投票の実施の勧告) 八重山日報
2009(平成21年)12月4日 竹富町長から12月1日の要望書に対する回答 回答書

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