リゾート開発の発端・借金問題

 今回のリゾート開発計画がなされるに至った経緯に関し、当会が、確度の高い情報を元にまとめた事実関係は、以下のとおりです。
 
(3月17日更新)
9億円の意味が分かりました。9億円の多くは、平成9年当時に迂回融資されたリゾート開発資金であった考えられます。

 
(4月30日追記)
以下の経緯が事実であることを示す一つの証拠をアップします。
これは、2007(平成19)年3月13日に、上勢頭保氏が國場組代表取締役に対して宛てたFAXです。
上勢頭保氏は、全国竹富島文化協会、全国町並協議会、N.P.Oたきどぅんの全国の支援者による竹富島憲章に則ったまっとうな土地の買い戻し運動を、「土地利用計画の危機」と断じています。これは、いったいなにを意味するのか。
そして、星野リゾートが、100%出資する、株式会社竹富土地保有機構が設立されたのは、このFAXのわずか1ヶ月後の2007(平成19)年4月13日、土地の売買が5月15日、9億円の資金投入が6月13日です。
星野リゾート星野社長は、このような経緯を知って資金投入したのでしょうか?これを知っていたとすれば、その後のプレスリリース等による説明は欺罔に満ちた悪質なものといわざるを得ませんし、知らなかったとすれば、余りに拙速・稚拙な経営判断による資金投入といわざるを得ません。
いずれにしても、竹富島住民は、このようなお粗末な発端によるリゾート開発計画により、苦しめられ続けているのです。
 

 

 1986(昭和61)年3月28日に竹富島歴史的景観形成地区保存条例が施行され、同年3月31日に竹富公民館において竹富島憲章が制定されたという状況の中、同年5月15日、上勢頭保氏と南西観光(代表:上勢頭保氏。株主:上勢頭保氏36%、國場幸一郎氏30%、その他34%の模様。)は、沖縄県ゼネコン最大手の國場組(グループ会社がブセナテラス等のホテルを運営)との間で、開発基本協定書を締結。同協定書には、國場組提供の資金で購入した「土地を第三者に譲渡してはならない」と定める規定があった(2008年2月4日八重山毎日新聞)。その上で、南西観光は、國場組から資金提供を受け、竹富公民館や他の住民に知らせることなく、同年5月27日にリゾート開発対象地の所有権を取得した(登記事項証明書)。
 その後、南西観光はリゾート計画を進め、1991(平成3)年、沖縄県のトロピカルリゾート構想で認可下りるも、日本債権信用銀行の破綻(はたん)で未着工(2008年2月12日八重山毎日新聞・上勢頭芳徳氏)。
 さらに、1997年(平成9)年、南西観光は、國場組とリゾート開発計画をすすめた。平成9年当時、竹富島には極めて大規模なリゾート開発計画があった(平成9年3月・沖縄県竹富町教育委員会「竹富島道路維持管理・交通システム計画」45P。平成9年2 月に環境調査を県に提出とのこと)。
 信頼できる情報筋によると、9億円はこの当時に、金融機関→國場組→株式会社うつぐみ(リゾート運営会社。國場組60%・上勢頭氏23.3%、その他 16.7%)→南西観光(土地所有・開発会社。上勢頭氏36%、國場幸一郎30%、その他34%)と迂回融資された。
 1997(平成9)年9月17日、対象土地に、根抵当権者あおぞら銀行、債務者國場組、極度額9億円の根抵当権が設定されたが、これは、上記の1997(平成9)年当時のリゾート開発計画のための、金融機関→國場組の債権の担保でであると考えられる。

 この根抵当権が、最終的に、貸金債権とともに、2006(平成18)年3月14日・21日にリサパートナーズの運営するケラソスファンドに移転された(登記事項証明書)。
 2007(平成19)年4月13日、株式会社竹富土地保有機構が設立された(登記事項証明書)。
 上勢頭保氏は、國場組との上記開発協定書にこれを打ち切るには1ヶ月前に予告することが定められているにもかかわらず、國場組に対し、5月9日、「(観光事業は)過去において終了した」との見解を盛り込んだ内容証明郵便を送付し(2008年2月4日八重山毎日新聞)、その6日後の5月15日に、売買により対象土地の所有権を株式会社竹富土地保有機構に移転し、6月13日に対象土地に設定された根抵当権が抹消された(登記事項証明書)。
 その後、このような経緯について國場組は、上勢頭氏による進め方が上記開発協定書に違反している、南西観光の役員会や株主に対して何ら説明をしないまま、上記の手続を行ったとして、南星観光に対し、法的措置を検討していると報じられた(2008年2月4日八重山毎日新聞)。

 
 この一連の事実関係から合理的に推測できる事実は、概要、以下のとおりになるものと思われます。

 

 上勢頭保氏が、1986(昭和61)年に、対象土地を取得したのは、決して「島の文化・町並みの保存」のために私財をもって土地を買い戻したのではなく、國場組の資金によりリゾート開発をする目的であったのであり、ただ、外見上竹富島憲章との抵触を防ぐため上勢頭保氏が代表を務める会社名義の土地にしていただけのことであると推測される。そうであるとすれば、わずか2ヶ月前に竹富島憲章が制定されている状況でのこのような動きは、非難されこそすれ、賞賛されるべきものでは決してない。
 さらに、南西観光は、1997(平成9)年9月17日、対象土地への根抵当権の設定をしているが、この極度額9億円は、この当時に、金融機関→國場組→株式会社うつぐみ(リゾート運営会社。國場組60%・上勢頭氏23.3%、その他 16.7%)→南西観光(土地所有・開発会社。上勢頭氏36%、國場幸一郎30%、その他34%)と迂回融資されたリゾート開発資金である。この根抵当権設定行為こそが、決定的に竹富島憲章に違反するものであった。
 2007(平成19)年3月、対象土地の根抵当権がケラソスファンドに移転したことを知った上勢頭保氏は、この土地が競売されると土地に関する何らの権限もなくなることから、星野リゾートの資金をもってリゾート開発を実現しようとし、國場組を見限って星野リゾートに協力を求めた(それゆえ國場組は一時提訴の構えまで見せた)というのが、今回のリゾート開発計画の発端だったと推測される。

 いずれにしても、対象土地の購入資金について、一般の島民が何らかの恩義を感じる理由は微塵もない。

 

 真実が上記のとおりだとすれば、開発者側が行っている以下の説明内容(星野リゾートHP)及びそのニュアンスは、真実とかけ離れた印象を住民に与えるものであり、もはや欺罔にほかなりません。

 

  「竹富島出身の上勢頭保氏は、…1970年代に竹富島の土地が数社の開発会社に買い占められた際に、それらの土地を買い戻した経緯があります。…ルールが未整備の時期に土地を買い戻したことは、今日の竹富島の景観保全に大きな貢献であったと言えます。」
 「『次の世代に竹富島の文化を維持するため、竹富島憲章を共有するだけではなく、守ることができる仕組みに変えていきたい』というのが上勢頭保氏の意志であり、そのための方法を一緒に考え」た。

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