3月21日公開討論会と当会の意見表明

当会は、3月21日(日)午後1時から約2時間、約30名の島民・観光客の皆様、弁護士の先生、テレビを含むマスコミ4社の関係者のご参加を得て、開発者側不在の中公開討論会を開催しました。
その概要は、以下のとおりです。

 

① 代表挨拶・開発者側欠席等の経緯の説明
 当会代表から、事業者側欠席に至る経緯を説明し、それが当会の反対表明の最大の理由となっていることを説明しています。
 詳細は、3月21日会長声明(リンク)をご確認ください。
② 三郷友会の意見の紹介
 ・ 東京郷友会は、ほぼ100%が住民投票を実施すべきとの意見とのことです。詳細は追ってご連絡いたします。
 ・ 沖縄郷友会は、回答を差し控えるとの内容でした。
 ・ 石垣郷友会は、2度の要請文の送付にもかかわらず一片の連絡もしませんでした。
 このような意見の経緯については、3月21日会長声明(リンク)をご確認ください。
③ 竹富島憲章を生かす会意見表明
 詳細は、3月21日付け意見表明書(リンク)をご参照ください。
④ 質疑応答
 ・ 活発な意見が述べられました。
 ・3月21日公開討論会質疑応答の一部をUPしました(MP3)。代表・事務局が現在の島の状況をお話しています。「島の状況が分からない」とお感じの皆様、是非お聞き下さい!
 ・録音を書き起こしたものは、こちら。→3月21日質疑応答(島の状況について)
⑤ 弁護士の先生のコメント
⑥ 全国の皆様からの「声」の紹介
 観光客の代表として観光客のお一人にご協力いただき、アンケート結果の報告と、アンケートの理由、島民へのメッセージの一部のご紹介をいただきました。

 



意 見 表 明 書

 

平成22年3月21日
竹富島憲章を生かす会
代表 上 間  毅

 

1 私たちは、星野リゾートによる竹富島でのリゾート開発に反対します。今後、あらゆる合法的手段を用いて、星野リゾートによるリゾート開発を阻止する覚悟です。
 私たちは、今回のリゾート開発計画の内容、開発者側の態度からすれば、リゾート開発がなされた場合には、竹富島のよさは失われ、竹富島の自治は崩壊し、開発者への島民の経済的な従属を生じるとともに、不安定な資本主義の渦中に放り込まれ、島の文化、精神は失われ、竹富島の崩壊をもたらすものと確信するに至りました。
 そこで、私たちは、本日、星野リゾートによる竹富島でのリゾート開発に反対する強い意思を表明し、今後、あらゆる合法的手段を用いて星野リゾートによるリゾート開発を阻止する活動を行っていきます。私たちは、最後の一人になっても、星野リゾートが撤退するまで、徹底的に戦い抜く覚悟です。
 これから、この考え方に至る経過を詳しく説明します。

(1) 今回のリゾート計画の捉え方
 【開発者側の説明】
 ・ 対象土地の買い戻しのための借金(12億円)について、土地を担保にとられた。これにより、外国のファンドなどに売却される危険が生じた。
 ・ そこで、「竹富島方式」を考えた。これは、「竹富土地保有機構」という組織を作ってそこに土地を持たせ、建物の建設・運営は南星観光が行うことで、土地が他の者に移ることを防止するもの。これにより、以前より、「はるかに安全な状態」(星野氏)となった。
 ・ 竹富土地保有機構の利益でその借金を返済し、12~3年後には、竹富土地保有機構を財団法人等の公的な組織とする。
 ・ リゾート開発による人口の増加により祭事や小中学校の維持に資する。
 【事実】(現時点までに当会が十分な根拠資料を把握している事実又は合理的に推測される事実)
① 土地が担保となっている12億円は土地の買い戻し資金ではなく、大部分は平成9年当時のリゾート開発計画の失敗による借金である。
 そもそも、現在、株式会社竹富土地保有機構の保有する83haの土地は、牧場であれば年間41500円程度の賃料が得られるにすぎない土地で、わずか数千万円~2億円程度の価値があるに過ぎないと推定されます(今後、正式に土地の価格評価を行う予定です)。したがって、12億円が土地の買い戻し資金などということは、到底あり得ないことです。
 では、この12億円という借金はなんなのでしょうか?
 当会の調査によれば、このうち9億円は、平成9年当時にリゾート開発計画を進めていた南西観光・株式会社うつぐみが、当時リゾート開発に乗り出して失敗したことによりできた南西観光の借金であると考えられます。残り3億円は、使途は全く不明であり、土地の購入資金との関連性も全く不明です。
 このような上勢頭氏らが独断で行った事業の失敗の借金をどうして、島民の負担とされなければならないというのでしょうか。
 仮に、星野リゾートが本当に12億円の支出を行っているとしても、わずか数千万円~2億円程度の価格の土地に12億円をつぎ込んだのだとすれば、これは基本的な経営判断の誤りであり、そのつけを島民が払う必要は全くありません。
 したがって、一般の島民が、この12億円について気にする必要は全くありません。
② 「竹富島方式」はまやかしです。
 星野リゾートによる資金投入前は、ファンド会社が土地に根抵当権を保有していることにより、将来島外資本により開発される危険がわずかにあるという程度の状態でした。
しかし、島外資本により開発がされようとしても、純然たる島外資本が島民の協力が得られない中で、開発許可の取得等を行う必要があり、極めて困難です)。
 それが、今回、直ちに星野リゾートという島外資本により開発がなされるという明白に竹富島憲章に違反する事態となっているのです。竹富島憲章を守るための「竹富島方式」などというのは全くのまやかしにすぎません。
 また、その仕組みの面についても、星野氏の説明によれば、株式会社竹富土地保有機構と南星観光株式会社の株式は、100%星野リゾートが保有しているとのことです。これは、両社がともに、星野リゾート自体であるのとほとんど意味が同じです。星野リゾートを「頭」とすると、「右手」で土地を、「左手」で建物をもってリゾート施設を運営するという意味で、すべて星野リゾートの意のままであり、土地が売られにくいなどという保障はどこにもありません。これまで繰り返し説明されてきた「竹富島方式」だから安全という説明には、住民を欺罔する意図しか感じられません。
③ 財団法人化について
 星野リゾートは、今回の事業のアピールポイントとして、将来竹富土地保有機構の借金を返済した場合には、この会社を財団法人等の公的な組織とすると述べています。
 【星野氏の説明】
 ・ 約束できるのは、竹富土地保有機構の借金を返し終わった後に、財団法人か公民館の所有かにすること。
 ・ 竹富土地保有機構の借金は12億円(若干不明確だが、根抵当権価格が9億、土地購入資金が3億との説明か?)。國場組から回収した金銭はない。
 ・ 宿泊棟は、約50棟、1棟あたり単価約5万円である。
 ・ 財団法人化の実施時期は、12~3年後という計画である。
 ・ 12~3年後に竹富土地保有機構を財団法人とするか、公民館の所有とするか等は、公民館の議論に委ねる。
 ・ 財団法人とする、公民館とする際に、対価が発生するのかは未確認(対価をとる可能性もある)。
 ・ (注意)若干説明が明確でないが、リゾート施設の敷地については、財団法人化しないということのようである。
 【検討】
 当会は、この実現可能性とこれを実現するための島の将来の制約による影響を検証しました。
ⅰ 財団法人化の実現可能性(当会は事業計画の内容の書面による回答を求めていましたが、星野リゾートは回答を拒否しましたので、以下はあくまで当会の試算です。)
 上記の借金12億円を12年で返済するためには、年間返済額約1億円となります。また、土地の上の建物は、南星観光が建設、保有することとなるようですが、その建設資金は30億円前後にのぼる模様であり、年間2億円弱の減価償却又は借入金の返済が必要となります。
仮に利益の全額をこれらにあてるとして、この合計約3億円の利益を毎年出すためには、以下のような利益率の達成が必要となります。
 ・ 稼働率が80%で、売上げが7億3000万円 → 利益率41.1%の達成が必要。
 ・ 稼働率が70%で、売上げが6億3875万円 → 利益率47.0%の達成が必要。
 ・ 稼働率が60%で、売上げが5億4750万円 → 利益率54.8%の達成が必要。
 星野リゾート星野社長は、住民に対し、今回の計画は「もっとも安全な方法」と説明していますが、このような数値の達成は、いくら優秀な星野氏といえども、全く不可能といえます。
 つまり、財団法人化は実現可能性がない絵に描いたもちといえます。
ⅱ 将来の島の犠牲
 星野リゾートが完全な自由な経営環境で行ったとしても、上記の利益率の達成は、ほとんど不可能な数字です。竹富島の窮屈なルールの中では、到底実現できないでしょう。したがって、竹富島としては、星野リゾートに何らかの財政的援助を求めることも、行事、祭事等についての協力を得ることも到底期待できないことはおろか、今後「財団法人化」が遅れるという理由により、島にあるこれまでのルールを変えて、星野リゾートの利益となるような形に運営せざるをえなくなるのではないでしょうか。
④ 人口増による文化の保存について
 次に、星野リゾートは、このリゾート開発により人口が増加し、種子取祭などの竹富島の文化や小中学校の維持に資するという点をアピールしています。
 しかし、リゾート開発をすれば、どのような事業者であっても、そこで働く人数分人口が増加することは当たり前のことです。むしろ、星野リゾートは、自社内において人材を養成すること、その規模に比較し新人採用人数が多く、また、離職率も一定の割合にのぼると聞いております。このような会社のリゾート施設ができることは、到底島の種子取祭の維持などには繋がるものとは考えにくいといえます。
⑤ 捉え方
 以上の各検討からすれば、今回のリゾート開発計画は、端的に「島外資本である星野リゾートが、竹富島の土地を買って大規模なリゾート開発に乗り出す」だけのものであり、それ以上のものでも、それ以下のものでもないといえます。
 このような、リゾート開発がなされることは、島の将来に決定的な悪影響を及ぼします。

(2) 今回のリゾート開発は竹富島憲章を踏みにじるものです。

 私たちは、祖先から、素晴らしい自然、建物、文化を受け継ぎました。しかし、竹富島の本土復帰に相前後し、外部資本による竹富島の土地の買占めの動きが広がり、竹富島の約4分の1の土地が買い占められるに至りました。これに対し、私たちの先人は、昭和46年、「竹富島を生かす会」を結成し、土地を外部資本に対して売らないための運動を行いました。これは、昭和47年に発表された「竹富島の声」に現れているように、土地を外部資本に買い占められれば、「みやげ物が売れたり、住民が従業員として雇用されたりするとはいっても、それでは『自分の自主的な生活はできない』ことになります。どんな契約を結んだとしても、結局は土地所有権の喪失と経済的な圧力のために『自分の島が自分の島ではなくなり』ます。住民の発言権が弱くなり、すべて『使う側』の意のままに、島が変えられてゆくのです。」という思想に基づくものです。その後も幾度となく、外部資本が竹富島の土地を買いたいとの申入れをしてきましたが、それを島民が協力して、はねのけ、昭和63年には、「竹富島憲章」に結実させるに至りました。
 この竹富島憲章は、今日の世界資本主義体制と私権の絶対性の中で文化・思考が均一化していくというグローバリゼーションに対する地域性の保持の試みとして、極めて先駆的なものでした。つまり、外部資本による土地の取得や開発を排除することで、外部資本の乱開発を防ぐとともに、島内で上がった利益を島内に環流させて、島の伝統、民俗文化、町並み、自然そして私たち自身の生活を守るものです。
 私たちは、この竹富島憲章を生み出した島の精神を誇りに思っております。その後の我々島民の実践により、この竹富島憲章は現在までしっかりと維持されてきました。
 私たちは、この竹富島憲章に表れた島の精神こそが、島の調和のとれた発展のため、今日も、また、将来にわたって、永続するべき原則であると考えています。

 しかし、星野氏の説明によれば、株式会社竹富土地保有機構と南星観光株式会社の株式は、100%星野リゾートが保有しているとのことです。これは、両社がともに、星野リゾート自体であるのとほとんど意味が同じで、明らかな島外資本です。
 これを行うことは、はっきりと竹富島憲章に違反するどころか、竹富島憲章を破棄するに等しいものです。これが実現されれば、直ちに、島に以下のような重大な悪影響が及びます。

① 竹富島憲章破棄の影響①~世界的にも貴重な地域性(島のよさ)が失われます。
 当会のホームページには、立ち上げからわずか1ヶ月の間に、全国から約200ものアンケート、メッセージが寄せられています。これらの皆様は、「今の竹富島がすばらしい」と今の竹富島の良さを口々に語っていただいています。
 今の竹富島のよさは、元来の独特の自然、歴史、文化に加え、島民が土地の買い戻し運動・竹富島憲章を実践したことにより、島民自身の町造りを行ってきたが故に、貴重な竹富島独自の自然、伝統、民俗文化と景観、一言で言えば独特の文化が保存されてきたことにあるといえます。これと人情味あふれる島の人達が、世界中の旅行者を魅了し続けてきました。
しかし、竹富島憲章が破棄されれば、直ぐにこの地域性の保持は実現できなくなり、グローバリゼーションの中で均質化に向かう、どこにでもある、何の変哲もない一つの離島になってしまうでしょう。そうなれば、竹富島のよさは全く失われてしまいます。
 当会のホームページに声を寄せていただいている全国の皆様も、ほぼ一致して、リゾート計画が実現すれば、島のよさは失われる、又は半減すると回答しております。
 私たちは、決してこのような島の将来を望みません。

② 竹富島憲章破棄の影響②~自治の崩壊(民主的な島から独裁的な島になる)
 竹富島は、1917年に「同志会」を創立して以来、約100年間にわたり、高度な島民自身の自治の仕組みを維持してきました。しかし、この自治の仕組みは、既に崩壊しかけており、もし、リゾート開発が実現すれば、自治は崩壊してしまうでしょう。
昨年8月24日の竹富公民館臨時総会において、リゾート計画の実施の賛否について住民投票を実施することが決議されました。しかし、星野氏は、竹富公民館の自主性を尊重するといいながら、「住民投票は実施することには問題がある」という発言を繰り返しています。当事者でありかつ影響力のある星野氏がこのような発言をすること自体不適切ですが、星野氏は、「住民投票を実施することは星野リゾートの利益にならないから」この発言をしていることと考えられます。既に星野氏の影響力は甚大であって、現状、この発言のまま事実が推移しています。
 これまでの竹富島では、一度決議されたことを公民館執行部が執行しないことなどは、一切ありませんでしたが、今回はそのような事態になっています。このように、リゾート開発が実現する前から竹富島の自治の崩壊ははじまっています。
 今後も星野氏は、星野リゾートの利益確保のためにはためらわずに自治に介入するでしょう。しかも星野リゾートの従業員約70名が島内に居住し、公民館の議決権を持つことになります。
 こうなれば、これまでの拮抗したバランスの上に成り立っていた民主主義はくずれ、もはや、公民館組織などというのは名ばかりで一人の実力者が突出した「星野島」になってしまうでしょう。
 私たちは、決してこのような島の将来を望みません。私たち島民が主役になって、これまでしてきたように、この美しい島を守り、生かすべきであると強く考えます。

③ 竹富島憲章破棄の影響③~星野リゾートは不当な利益を得、島民の経済的従属をもたらす
 星野リゾートは私たち島民が、先祖から受け継ぎ、はぐくみ、育ててきた伝統、民俗文化、町並み等の景観と自然をあてにして、リゾート開発に乗り出していることは明らかです。
自然については私たち島民のみがその利益を享受できるという道理はないでしょう。しかし、この町並み、景観は、私たちが長年にわたって、ときに窮屈に感じることがあっても我慢し、努力を続けてきた結果、形成、維持されてきたものなのです。竹富島憲章は、一面で、島民の犠牲により、島の観光資源を育て産業化し、それを島内に還元することで島内の活力を維持する、そういう試みなのです。それゆえ、この努力が実った現在の観光客の増加による利益は、私たち島民に帰すべき理由がありこそすれ、それをあてにして利益を得ようとする外部資本が得られる道理はないはずです。
 しかし、仮にリゾート計画が軌道に乗れば、星野リゾートの年間売上げは6~7億円にのぼり、多額の利益を得るでしょう。これは、何の労もとっていない星野リゾートが、島民の努力により形成維持されてきた観光資源にフリーライドして不当な利益を得ることを意味します。
上記のとおり、星野リゾートの年間売上げは6~7億円にのぼるものと想定されます。
これに対し、現在の島の全ての事業者の売上げがこれに達するかには疑問があります。それに加え、現在の島の全ての事業者の売上げがこれに達するかには疑問があります。それに加え、島民が経営する民宿等は強力な競争相手が生じることになり、また、「島のよさ」が失われたという多くの既存の観光客の足が遠のき、これまでの顧客はどんどん減少していくことになります。当然、私たちの収入は減少します。
 そうすると、経済的にも、これまで島民自らが維持してきた島が、星野リゾートの経済力に完全に依存する島となることは目に見えています。こうなれば、自然、伝統、文化及び町並みの保存は、島民の生活を守るために、島民の手で行われるのではなく、星野リゾートの利益になる範囲でその利益になる限りにおいて行われることになるのです。こうなれば、もはや「私たちの生活」はどこにもありません。
 このような事態こそが、竹富島憲章がおそれ、防止しようとしていたことなのではないでしょうか。

(3) その他の問題(詳細は、割愛いたします)

 それ以外にも、今回のリゾート開発には以下のような様々な問題があります。
① 島の景観を破壊する。
 アイヤル浜付近でのリゾート開発は、島の大景観を害します。
 また、今回提出された設計図は、竹富島景観マニュアルに違反する点が多く存在します。
② 島の自然環境を破壊する。
 アイヤル路は、蝶の路です。それ以外にもたくさんの貴重な生き物がいたはずです。樹木の伐採により、この美しい蝶やその他の生き物の相当な数が死んでしまったでしょう。そして、リゾート開発が実現すれば、ひっきりなしに行き来する車両によって、蝶はどんどんはねられていって、しまいにはアイヤル路の蝶はいなくなってしまうのではないでしょうか。
 アイヤル浜は、とても静かで、たくさんの貝殻や珊瑚が落ちていて、たくさんのヤドカリがいる唯一無二の美しい浜です。この浜や海に汚水が流れ込んだり、建築資材の有害物質が流出したりして、環境が害される重大な懸念が払拭できません。
 このような場所での開発について、星野氏は、3月6日のうつぐみ教室において「建築中環境問題が生じたときに工事をストップすることは約束できない」と明言しています。このような会社に開発を認めることは自然破壊に繋がる可能性が極めて高いといえます。
③ 住民生活に悪影響を及ぼす。
 リゾート開発が実現すれば、竹富町と石垣市との間の給水協定書上、全島について石垣市からの給水が停止される可能性があります。
 竹富島のゴミ処理施設では、既に島内のゴミを処理しきれない状況ですが、星野リゾートと町との間では、ゴミの処理の問題が全く未解決です。
④ さらに、今回のリゾート開発がうまくいく保障は全くありません。
 仮に星野リゾートの経営が破綻した場合はどうするのでしょうか。
 私たちには、星野リゾートや南星観光が信頼に足る財務体質を有しているのかについて、何らの情報も開示されていません。星野リゾート・南星観光の経営が5年後、10年後うまくいかず、竹富島のリゾートから撤退したらどうなるのでしょうか。そのときには、瀬底島の例を挙げるまでもなく、リゾート建設により破壊された環境、破壊され停止した島文化、美しさを失った建築、自立することができなくなってしまった島経済、弱体化した公民館組織と我々住民のみが残されるという、ぞっとする状況が現れることになるのです。

(4) 今回の開発者の態度は不公正極まりなく、憤りすら感じます。

① 竹富町教育委員会の許可条件に違反した伐採
 開発者側の南西観光は、平成19年6月14日、「竹富町字竹富1955番地他」にて、「対象地の測量及び生息樹木の調査、在来種樹木の保護」のために、「小型ユンボにより雑木(ギンネム等)等を伐採」する旨の許可申請を行っています。これに対し、竹富町教育委員会は、平成19年7月17日、「申請箇所は歴史的景観保存地区であるため景観を損なわないよう最小限に抜開すること」「測量調査の実施に当たって伐開する間隔は、L=25.0m以上とする」という条件で伐開を許可しました。しかし、南西観光は、この条件を全く無視し、大型のショベルカーを使用して、全面的に、樹木を根こそぎ伐採してしまいました。おそらく、このときの伐採により、対象土地に遺跡・埋蔵物があったとしても、破壊されてしまったでしょう。さらに、その樹木はすべて焼却されてしまいました。
 このように、南西観光が、竹富町教育委員会の許可条件を全く無視した伐採を行ったということは、紛れもない事実です。
② 住民に全く向き合ってこず、また、住民を欺罔する手法をとってきたこと
 これまでの過程の中で、開発者側は全く住民に向き合ってきませんでした。行われた説明会は、すべてがそれを行う必要に迫られたためのものです。
 ・ 資金投入を意味する抵当権抹消の翌日に住民全体と話し合うことなく開発のための樹木の伐採手続に着手しています。
 ・ 1回目の説明会 ⇒ マスコミに報道された直後。
 ・ 2回目の説明会 ⇒ 開発許可のために絶対に必要なため。開発協定書の説明会とのことだが、その協定書の配付はしない。録音録画は禁止。
 ・ 3回目の説明会 ⇒ 町長から住民に説明しろと言われたため。
 ・ 4回目の説明会(うつぐみ教室) ⇒ 竹富島憲章を生かす会が立ちあがった直後。主催者の立場が全く不明である狩俣恵一教授らの主催の会合において、お年寄りを車で連れて行って拍手喝采を送る。女性・青年のみを集めていいことばかりをいう。→その他一般という、極めて恣意的な説明会を開催した。
③ 住民や行政を欺罔する住民説明会議事録の提出
 開発者は、平成20年6月27日の住民説明会において、録音・録画を認めず、また、何の配付資料もなく口頭とプロジェクターにて説明を行いましたが、この冒頭、「ここは住民の意思を問う場ではない」と明言した上で説明を開始しました。
 しかしながら、開発者が開発許可を取得するために県に対して申請した開発許可申請書の添付資料として提出されたこの日の住民説明会の議事録には、冒頭に述べた「ここは住民の意思を問う場ではない」という発言が一切削除されています。しかも、この議事録は、県から「地元公民館の同意書」の提出を求められたことに対し、これに代わるものとして開発者が提出したという意味合いのものですので、上記発言は非常に重要な意味を持ちます。つまり、住民に対して「同意をとらない」と明言した住民説明会の議事録を、住民が「同意をした」ことの証拠として県に対して提出しているのです。このような開発者の態度は、住民を欺罔しているばかりでなく、行政をも欺罔するものであって、強い憤りを覚えます。
④ 住民を欺罔する説明
 開発者は、上に明らかにしたように住民を欺罔する説明をし続けています。そのほかにも様々な点で、このほかにも、様々なうそやごまかしの説明を行ってきました。例えば以下のようなものですが、枚挙にいとまがありません。
 ・ 3月5日・6日に、星野氏は「法的手続きはすべて終わっている」と何度も発言しています。しかし、当会の調査によれば、建築確認審査手続が完了していなかったことが判明しました。また、町との協議も全く未了のようです。星野氏自身、このような重要な法的手続きが終わっていないということは、認識していたはずです。
⑤ 住民の自治への介入
 竹富公民館の自主性を尊重するといいながら、「住民投票を実施することには問題がある」という自治に介入する発言を繰り返しています。これは、「住民投票を実施すると星野リゾートの利益にならないから」であると考えられます。既に星野氏の影響力は甚大であって、このとおりに事実が推移しています。
⑥ 質問状、公開討論会の案内の無視。
 私たちは、平成22年2月14日、星野リゾートによる竹富島でのリゾート開発について、多数の重大な懸念を表明した上、星野リゾート等の開発者との間で質問状と回答書のやり取りを行い、公正に事実を明らかにしていこうと考えておりました。しかし、星野リゾート等の開発者側は、質問状に一切答えない、住民主催の公開討論会の案内に対して、出席の可否の連絡すらしないなど通常の企業では到底考えられない異常な対応を行っています。
⑦ 当会主張の事実についての全く根拠を示さない否定。
 星野氏は、当会ホームページに記載の事実の多くは十分な客観的資料を基にしているにもかかわらず、3月5日及び6日に、あたかもそれがほとんど嘘であるかのような発言を行っています。今後、当会のように、住民の一部が、星野氏に敵視されたらどうなるのか。事実まで嘘と決めつけられてしまうことになる疑問を払拭できません。
⑧ 島内・島外における尋常でない圧力
 当会の活動、とりわけ3月21日の公開討論会を妨げようと、狩俣恵一教授らの開発者側協力者は、島民に対して公開討論会に「出席するな」「参加すれば反対ということになる」と言って回り住民に圧力をかけ続ける、東京郷友会に対して代表者の出席を妨げる活動を行うなどの活動を行ってきました。どうして、正々堂々と議論をせずに、このような不当な妨害行為を繰り返すのか。
  
 このような開発会社の対応について、私たちは憤りすら覚えます。私たちは、このような対応を行ってきたリゾート開発会社によって、この歴史ある竹富島がリゾート開発されることは、島に甚大な悪影響を及ぼすことを確信しています。

 

2 いわゆる代替案について

 

 開発者側は、「土地に根抵当権が設定されていた状態が非常に危険な状態である。星野リゾートのリゾート開発を行うことは12~3年後に土地が竹富島に戻ってくるという意味で土地の買い戻した竹富島憲章を遵守した形を実現できる可能性がある。これに反対して何らの対案も出さないのは無責任だ。」という主張を行っています。
 しかし、このような説明がおかしいことは、上述のとおりです。
 さらに、島民は、なにも「反対というためには土地を買い戻さなければならない」などということは全くなく、島の自然、伝統、文化、町並みそして私たち自身の生活を守るために、反対といっていけない理由はなにもありません。単純に、リゾート賛成・反対といえばいいことだけであるにもかかわらず、議論がすり替えられています。
 また、仮にこの土地に根抵当権が設定されていた、他の者の所有となっていたとしても、それによりすぐに外部資本による大規模リゾート開発がなされるわけではなく、新たに開発許可等を取り直す必要がありますし、今後は容易に開発許可などはでないはずです。それに比べ、星野リゾートによりリゾート開発が行われようとしている今の方が、はるかに危険な状況といえます。

 

 ただ、もし、最終的に島民が土地を買い戻したいということであれば、そのために実現可能な代替案は十分に存在します。例えば、以下のようなものです。
・ 星野リゾート又は星野リゾートからの土地の転得者から、対象土地を購入する。購入金額は12億円ではなく、土地の公正価格である数千万円~2億円程度をベースに話をする。
・ その購入資金は、全国からの寄付、事業者による観光客からの協力金の徴収、入島料構想等で十分捻出可能と思われる。
 島民は、このための方法を知恵を出し合って考えた上で、その実現のためにこそ一致協力して努力すべきではないでしょうか。

 

3 住民投票の実施について
  私たちは、当初から、3月27日までに、開発者側から正しい情報が提供され、それをもとに公開討論会を開催して住民がなにが正しい判断かを選択した上、3月27日に住民投票を実施すべきという考え方の下、今日まで活動をしてきました。そのため、私たちは、竹富公民館に対して、3月27日の住民投票の実施を、1ヶ月以上まえの2月14日付けで要請しております。
 しかし、本日まで、竹富公民館からは住民投票の実施について何の連絡もありませんでした(逆に、竹富公民館は、3月27日に公民館議会の日程をいれてきました)。当然、住民投票は公正なルールの下に行われなければならず、相応の調整が必要ですが、その観点から既に3月27日の住民投票の実施は困難と言わざるをえません。
 さらに、現在までに、住民に対しては、開発者側からの一方的な欺罔的な説明しか行われておらず、本日お話ししたような正しい情報がしらされていません。このような正しい情報が伝わることは、開発者側により徹底的に妨害されてきました。私たちはこれについて、島民に説明する必要があると考えており、それには相応の時間が必要です。
 このような状況を踏まえれば、3月27日に住民投票を実施すること困難と言わざるを得ませんが、今後も当会とては、住民に対して正しい情報を広く広めるとともに、公民館に対して、強く住民投票の実施を求めていく予定です。
 なお、当会は、3月31日の定例の総会において、開発者側が住民から面前で多数の委任状を取得した上で、リゾート開発への賛成決議を強行するのではないかという重大な懸念をもっております。これが実施されれば、住民が正しい事実を把握した上で真意に基づいてその意思を表示することは実現されないことになります。そこで、当会は、竹富公民館や開発者に対し、3月31日の総会において、リゾート開発について決議をすることは絶対にしないよう、強く申し入れる予定です。

以上

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